GPSと自動運転



今、話題の自動運転車は、なぜ自動で運転できるのか?

 自動運転車の動作メカニズムは、大きくハード(各種センサー)とソフト(AI:人工知能)の2つに分けられる。まず各種センサーとしては、GPS(グローバル・ポジショニング・システム)、ミリ波レーダー、ビデオ・カメラ、レーザー・レーダー(Lidarとも呼ばれる)などが多数、自動車のボディ各部に装備されています。



GPS誤差のため、頼れない

 このうちGPSの位置情報が特に重要かとも思われますが、実はそうではありません。GPSは遥か宇宙空間を周回する人工衛星からの信号を使って位置決めをするため、どうしても誤差が大きくなります。特に自動運転車の場合、自らも相当のスピードで移動するため誤差はより大きくなり、それは数メートルから十数メートルに及ぶ場合もあります。こんな大雑把な位置情報に頼っていたのでは、クルマは危なくて移動できません。



GPS位置情報は、二次的情報として利用

 そこで自動運転車では、GPSによる位置情報は二次的情報として利用するに留めます。むしろ本質的に重要なのは、車体の天井に取り付けられたレーザー・レーダー、車体の前・後部に装備されたミリ波レーダー、さらにはバックミラー付近にあるビデオ・カメラや車輪のホイールに取り付けられた振動センサー等だ(ただし日産の自動運転車では、レーザー・レーダーは車体の天井ではなく、バンパー付近に埋め込まれている)。これらは言わば、自動運転車が周囲の状況を正確に把握するための「目」や「耳」に当たるものです。



自動運転に高精度地図を自動生成するGPS追跡システムが必要

 カメラを装着した車両が走行中に路面の画像データと位置情報を収集し、 データセンターに集約、補正することで、広域の高精度地図データを自動作成します。 道路構造や制限車速・標識などの交通ルールなども自動で把握します。



車載カメラとGPSからのデータ収集

 車載カメラとGPSから収集するデータは誤差が大きいですが、走行軌跡を高精度に推定する技術と、 複数車両から収集した路面画像データを統合・補正する技術により、 直線路の場合で誤差5センチ以内に抑えました。情報収集に市販車両や既存インフラを 活用することでリアルタイムにデータが更新でき、安価にシステム構築できるとしています。



自動運転システム実用化への“難題”

   準天頂衛星を活用したGPS(衛星利用測位システム)を搭載して自動運転件ができる試作車を公表しました。交差点の死角など事故が起きそうな危険エリアを把握し、安全運転できるのが特徴。立体の地図情報と併せ、雪道や霧など見通しの悪い状況でも自動走行が可能といいます。 しかし私は、自動運転システムの実用化はかなり難しいと思います。私たちは20年以上、通信衛星を活用して放送しているが、年に何回か、厚い雲に覆われ「雷が発生して受信できなくなった」というクレームを受けることがあります。そんなとき、クルマはどうなるのでしょうか。 私は先週、山道を運転しました。そのときの経験から、狭い道や樹木のトンネルや枯れ葉が落ちた道路でのGPS活用は難しいと思いました。枯れ葉はGPSに反応しません。枯れ葉の上を走っても大丈夫なのかどうかは、人間の判断にかかっています。もうひとつ、大雨の後など路肩が緩いかどうかということも判別できないはずです。



自動運転の頼れる司令塔・日本版GPS

 準天頂衛星システムによる「日本版GPS」が実用化へ動き出した。2018年度までに衛星を4基体制にし、本格運用を始める計画です。測位の誤差は数cm単位。クルマや農機などの自動運転に道を開きます。  「国内だけでなくアジアでも展開するには、強い国際競争力が重要。関連産業で、新しいイノベーションを次々と生み出してほしい」  2013年7月26日、準天頂衛星システムの利活用を目指す産学連携組織「高精度衛星測位サービス利用促進協議会(QBIC)」が発足。設立総会の冒頭で、QBIC会長の西田厚聰・東芝会長が、訪れた企業関係者に呼びかけました。  日本独自の測位衛星である準天頂衛星システムは、米国が運用するGPS(全地球測位システム)と組み合わせて使えば、GPSだけの場合よりも高い精度での測位が可能。「日本版GPS」とも呼ばれる。従来よりも正確な位置情報サービスが可能になるだけでなく、クルマや農機などの自動運転を実現するうえでも、中核技術の1つになると期待されています。  2010年9月に、初号機である「みちびき」が打ち上げられ、まずは1基での試験運用が始まりました。政府は2018年度までに、24時間体制での本格運用を始める方針です。  QBICには、ソフトバンクモバイルや富士通といった、交通や農業、防災、通信など幅広い業界から約200の企業・団体が参画しています。  今後、海外展開や標準化などをテーマとした4つのワーキンググループで、日本版GPSを使ったサービスや機器の実用化、普及に取り組みます。



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WillGPSは、PCやiPhoneなどのスマートフォンからリアルタイムで追跡する事ができるGPS発信機及び位置情報サービスです。電波がなければ利用できなくなる一般的なGPS位置検索サービスとは異なり、電波がない場所でもGPS情報を一旦端末に保存し、定期的に電波を通じてGPS情報を発信する仕組みです。この仕組みにより、携帯電波がないエリアでも利用可能となり、より広範囲のGPS追跡が可能です。 また、GPS発信機に3Dモーションセンサーが内蔵しており、移動しない場合は自動的にスリープ状態に入るため、従来のGPS発信機より電池寿命が長く、長時間追跡できます。


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